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2016年8月15日月曜日

タンデムキャノピー(11号)_07_エンジンボアアップ

こんばんわ。タナベファクトリーです。
制作中のタンデムキャノピー11号車、今回はエンジンボアアップです。

先ず前回の進捗野おさらいです。
エンジンケースを分解し、各消耗品を全交換してクランクケースを組み立てました。







今回はこの上にボアアップシリンダーを組み込みます。

使用するのはマロッシ製ボアアップシリンダー&ピストンキット。
47mm径で68ccの物です。

当店のタンデムジャイロキャノピーは、47mmシリンダーヘッドまでフルセットで組み込みます。

良く誤解されていますが、マロッシのこちらの製品は、本来ジャイロ用では御座いません。
古い車種用の流用品で、恐らく本来の対応車種はAF01(初代リード50)です。

私もそれほど年配ではないので当時の車両は知りませんが、
イタリアのマロッシ社の対応車種からその様に推察しています。

この為、シリンダーヘッドも組み込む場合はプラグ位置が違います。
ジャイロノーマルは斜めプラグ、マロッシ(AF01用)はセンタープラグです。

このプラグ位置の違いによるエンジンカバーの加工はいずれ掲載します。

では早速 今回の作業内容です。

先ず、前回作業時に組み込んだクランクケースを、念のためにエアーダスターで清掃します。



ちなみにですが、今回、混合気(霧状ガソリンと空気の混ざったもの)の供給口を多少ですが研磨しました。
これは汚れの付着が多かったためと、金属のデコボコが多かったために混合気の流れが悪くなりそうだからです。



金属表面をなだらかにすることで、今後の汚れの付着や、混合器の流れをスムーズにする効果が有ると思います。


組み立て前にクランクケースの最終確認です。
クランクシャフトがケースの中心に来ているかを確認します。



組み立て時にかなり気を付けていたので、中心位置はバッチリでした。
(写真が斜めでイマイチ解りにくいですが)

次にいよいよボアアップキットです。
こちらも組み立て前に有る程度の加工を行います。

吸排気の口を、先ほどのエンジンケース吸気口と同じように研磨します。







先ほどと同じく、混合器(廃気も)の流れをスムーズにし、
汚れの付着を少しでも軽減するためです。

また、加工のバリ取りの目的も有り、ピストンとの摺動部(しゅうどうぶ/擦れる部分)は、
特に気を使って、リューター、耐水ペーパー(800番、1000番、2000番)で面取りします。

ピストンも同じように、シリンダーと接する摺動部を面取りしました。

この後組み立てますが、その前にひと手間かけます。

シリンダーとピストンにモリブデン粒子が配合されたグリスを塗布し、
バーナーで高温にして表面に定着させます。

これはレーシングエンジンのドライコーティングからヒントを得て最近よく行っている作業です。

本来のドライコーティングは高温状態のエンジンにモリブデン粒子を塗布する、又は
高温のエンジンに、同じく高温のモリブデンを高速で衝突させて定着/置換させる技術らしいです。

当店ではそこまでの技術は必要有りませんし、設備投資もできませんが、、
焼き付き防止にモリブデン粒子が有効で有ることに着目して、
簡易的なモリブデンコーティングとして上記の作業を行っています。

この作業の上でピストンをクランクケースに装着し、シリンダーを組み入れます。



次にシリンダーヘッドです。



圧縮調整と初期慣らしの為にヘッドガスケットを多めにして組み立てました。



当店でボアアップシリンダーを組み込んだ場合、
各部にモリブデンコーティングの上で組み立て、
組み立て後に初期慣らしとしてアイドリングで30分行います。

キャブレターや駆動系のセッティングを有る程度出したら、
その後走行試験を10km(30分~45分)ほど行います。

その後ガスケットを減らして(本来の枚数にして)、更に試験走行を行い、
プラグの焼け具合が問題なければ、最終的なセッティングに入ります。

最終セッティングが出たら更に10km(30分~45分)の走行試験を行い完成です。
この方法で、当店で指定した走行状態を守って頂ければ、まず焼き付きは起こりません。

・指定の走行とは、300kmまでは高回転まで回さない。
・ガソリンはハイオクを使用する。
・2ストオイルはホンダ純正GR2を使用する。
の3点です。


さて、これでボアアップキットが付きましたので一旦区切ります。
次回(御同日作業ですが)の更新は、
ジェネレーターの組み込みを掲載します。

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