このブログ記事は、該当車両のご依頼者様の為に作業内容の記録として記載している物です。
作業内容を順次掲載しますが、作業のレクチャーを行う事が目的ではございません。
本記事を手本に作業なさる場合は、全て自己責任でお願いいたします。
バイクの構造などが解らない方にも可能な限り解りやすい記事にするよう努めてはおりますが、一部の写真がピンボケや明るさ不足で見え辛かったり、文章が解りづらい部分も有るかもしれません。
作業の合間に制作している写真・記事ですので、至らない部分も有るかもしれませんが、なにとぞご容赦願います。
----ここから記事本文です----
まずは今回納車した車両の完成時の写真です。
では、時間をご依頼いただいた時点に戻して、整備記録を掲載します。
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ジャイロキャノピー購入のご依頼を戴いたので、整備を行いました。
法人様での営業周りに使用する車両との事です。
今回ご購入いただく車両(ベースになる在庫車両)は、
ユーザー様からの買い取り車両です。
過去に当店で、ある法人様向けに販売した配達用の車両ですが、
その法人様の方針変更で軽トラでの業務に変更となり、
不要になった本車両を当店で再度買い取らせて戴いた物です。
今回ご購入希望のお客様も法人様です。
お客様からご予定の予算と条件などの提示を戴いたので、
価格を算出するために分解します。
駆動系パーツを取り外しました。
ケースカバーの汚れは少な目でした。
ケース内部も汚れは少ないですが、
オイル漏れを発見しました。
クランクシャフト左側、ここもオイル漏れが有ります。
この部分に漏れが有るとクランクシャフトを分解しないといけません。
クランクシャフト右側もオイル漏れが有ります。
汚れが酷くないので【圧縮漏れ】というほどでは御座いませんが、
このまま放置するといずれ症状が進みますので、
やはり分解して交換するべきと判断しました。
ではクランクケースを分解します。
エキゾーストパイプを取り外しました。
シリンダーヘッドを取り外しました。
カーボンの蓄積は殆どありませんでしたので、
買い取り前の燃焼状態は良好だったようです。
ピストンヘッドは経年による汚れが有ります。
ここは組み立て前に少し洗浄しようと思います。
シリンダー内壁の状態も良好です。
排気ポートのカーボン堆積もほとんどありません。
2サイクルエンジンの構造上、マフラー状態も良好だと判断できます。
シリンダーを取り外しました。
クランクケースを分割しました。
クランクケース右側、中心のオイルシールを交換します。
オイルシール周辺に多少汚れが付着しています。
続いて左側も交換の為に分解します。
邪魔なのでキャブレターを取り外しました。
後ほど分解・清掃します
取り外したクランクシャフトです。
クランクベアリングを回してみましたが、
やはり若干ゴロゴロ感が有ります。
クランクシャフトがブレてオイルシールが摩耗し圧縮漏れが起きます。
この場合はベアリングとオイルシールを丸ごと交換します。
もちろんベアリングも両側とも交換します。
左側ベアリングを取り外しました。
右側も同じく取り外しました。
これでクランクシャフトケースの完全分解が完了しました。
キャブレター内部は綺麗な状態ですが、
一応完全分解して洗浄します。
時間が遅くなってしまったので、本日はここまで。
ここまでで交換すべき部品が判別できましたので、
お客様のご希望条件でお見積りを提出し、購入決定のご判断を戴きました。
2020/1/18
現在の進捗はここまでです。
組み立てを行う際にまた更新いたします。
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2020/1/19
更新します。
車両の整備に必要な部品は全て在庫が有るので、
早速交換を開始します。
まずはベアリングの穴を磨いて清掃します。
ベアリングの圧入がやり易くなります。
ベアリングを圧入します。
エンジンケース左側
エンジンケース右側
オイルシールの穴も清掃して研磨します。
オイルシールの圧入を行います。
圧入にはボルト、ワッシャー、スペーサーを使用します。
ワッシャーは色んな厚さや大きさを用意してあります
オイルシールと同じような外径のワッシャーで、
10mmぶんを用意します。
ボルトの抜け止めに大きなワッシャーを使用します。
これでボルトが抜けません。
ちなみに写真の撮影用に再現している物なので、
オイルシールは既に10mm圧入済みです。
オイルシールの上に10mmのワッシャーを載せます。
10mmでピッタリ止まるように、
大きめのワッシャーを載せます
上からナットで締めこめば、
ピッタリ10mmまで圧入されたところでオイルシールが止まります。
これでオイルシールが圧入できました。
次にファイナルシャフトのオイルシールです。
ココは反対(ギヤケース)側を分解していないので、
先ほどのボルト圧入が出来ません。
オイルシールは外側からノギスで計測しながら押し入れます。
クランクシャフトには汚れが付着しているので、
研磨用コンパウンドで研磨します。
クランクシャフトを取り付けます。
クランクケースの合わせ面は組み立て前に研磨します。
研磨にはオイルストーンを使用します。
合わせ面がキレイになりました。
綺麗に研磨した合わせ面に、液体ガスケットを塗ります。
ノックピンを挿入します。
クランクシャフトを手で入れられるところまで入れます。
クランクシャフトの圧入には
特殊工具を使用します。
左側からクランクシャフトを引き入れます。
引き込みが完了しました。
引き込み量は後ほど微調整します。
引き込みが終わったらケースを組み立てます。
右側ケースを取り付け位置に合わせます。
インストーラーでシャフトを引きます(ケースを押します)
ピッタリまでケースを取り付けたら、ボルトを締め付けます。
次にクランクシャフトの位置を微調整します。
次にシリンダーを載せる部分の面出しです。
載せるシリンダーも同じく研磨を行います。
次にジェネレーターを取り付けます。
セルモーターとオイルポンプを取り付けます。
取り付け部分のシール類は交換します。
いよいよシリンダーを取り付けます
まずはピストンを清掃します。
シリンダーヘッドも清掃しました。
シリンダー組み立て。
エンジンシリンダーの組み立てが完了しました。
2019/1/19 本日はここまで。
また組み立て内容を更新します。
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2019/1/20 更新します
クラッチを分解しましたが、トルクカムの溝が僅かに摩耗していました。
黄色で囲った部分が摩耗・変形しています。
オイルシールを外してみましたが、
ゴムの硬化が進んでいるので、オイルシールも注文します。
部品待ちのため、一旦更新ストップします。
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部品が届いたので更新します。
新品のトルクカムにオイオルシールを装着します。
オイルシールは4個必要です。
手の握力では圧入できないので、ボルト締めで圧入します。
無事に圧入できました。
無事にクラッチが組み立て出来ました。
新しい部品なので、グリスの注入をして組み上げていきます。
キャブレターを分解洗浄しました。
駆動系、変速装置の組み立てが完了です。
キックギヤーとケースの洗浄を行います。
ギヤーも清掃してグリスアップします。
動作良好になりました。
エアーフィルターを新品交換します。
新品は綺麗です。
変速機ケースを組み上げて、エアークリーナーを取り付けました。
マフラーカバーと、シリンダー周りのファンカバーを取り付けました。
時間の関係で本日はここまでです。
次回はブレーキシューの交換、タイヤの交換などを行う予定です。
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2020/1/25 作業更新
ブレーキとタイヤを掲載します。
ホイールとタイヤの件ですが、
まず今回、既存のタイヤ・ホイールの区見直しは行いません。
新たに用意したホイールを塗装しなおして、
新品タイヤを組付けます。
フロントホイールはエイプ用を用意。
ぶっちゃけ、2ストのジャイロキャノピーのホイールと同じ物です。
(ホンダの部品番号も色コード以外は同一です。)
タイヤがパンクしていたものを安く入手しました。
エイプ用を用意した理由は、
元からチューブレス仕様なので、ホイール内部のサビが少ない事です。
(2ストジャイロはチューブ仕様で販売していたので、
ホイール内部に水が入って錆びていることが多いです)
ホイールとタイヤを分解してホイール単品にします。
パンク品なので、若干のサビが有りました。
少し磨いたら綺麗になりました。
このホイールを塗装して利用します。
塗装の際は先に【入り隅】の部分をフデで塗っておきます。
入り隅部分の塗装途中の写真です。
綺麗に塗装出来ました。
次にリヤホイールですが、
今回は塗装済みの在庫が有ったので、そちらに交換します。
フロントホイールの塗装が完全乾燥するまで待ち時間が有るので、
先にリヤホイールとタイヤを組み立てます。
組み立てが完了しました。
次にブレーキシューを交換します。
エアーガンで清掃します。
ブレーキクリーナー・パーツクリーナーなどで掃除すると、
油汚れが落ちてしまい、オイル漏れの確認が出来ません。
なので当店ではまずエアーで掃除します。
ご覧の通り、オイル漏れは有りません。
次にブレーキシューです。
角を落として面取りしておきます。
面取り完了です。
シューの摺動部は、モリブデングリスを薄く塗布しておきます。
ハブを取り付けて、規定トルクで締め付け、
ハブナットを割りピンでロックしておきます。
さて、フロントホイールが乾燥したので、
タイヤを取り付けます。
ホイールの痛みがほぼ無いので、
エアーバルブもしっかり取り付け出来ました。
タイヤの取り付けが完了しました。
規定空気圧(2.0)を入れてフロントホイールは完成です。
あとは車体に付いているフロントホイールと交換すれば、車体の整備は完了です。
今回はお客様の希望で、
マジカルレーシング社の【スーパーデリボックス】を取り付けますが、
ボックスは発注済みなので、届き次第取り付けます。
今回の更新はここまでです。また更新します。
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2020/1/28 更新します
スーパーデリボックスが届きました。
かなりの大きさです。冷蔵庫並みです。
このボックスは開梱した後の移動でキズが付く場合も多いので、
リスクを最小限にするためもあり、、
梱包を開ける前に車体の近くに移動しておきました。
車体後方でボックスを開ける準備を整えました。
まずこの状態で、
車体のカウルを交換します。
今回の車両はもともと純正ボックス付き(ワゴンタイプ)ですが、
社外ボックスの取り付けの為、デッキタイプのカウルに組み替えます。
純正のワゴンボックスと、それに関わるカウルを取り外し、
デッキタイプのカウルに交換します。
純正ボックスのロックユニット(鍵穴)も不要なので取り外し。
デッキタイプのカウルには、
カギ穴が開いていません。
デッキタイプのカウルの取り付けが終わりました。
では、スーパーデリボックスの取り付けです。
先に書いておきますが、
通常は二人以上いないと取り付けはほぼ不可能だと思われます。
今回当店では店主が一人で取り付けましたが、
慣れていてもかなり大変な作業です。
作業開始から終了まで、約2時間ちょっと掛かりました(^_^;)
二人でやれば1時間掛からない作業だと思います。
配送時に破損してしまっている可能性なども考慮して、
開梱したらまずはキズや破損が無いか入念にチェックします。
梱包箱のオモテ面にもその旨の注意書きが貼られていました。
キズ・破損も無く、各部の動作も問題無いようです。
次に付属品もチェックします。
不足・欠品は無いようです。
次に車両から、ルーフピラージョイントを取り外します。
ボックス側の穴位置を確認します。
アルミシートが塞がったままなので、
一度ボックスの外側からドリルやキリで穴を開け、
アルミシートに目印の穴を開けます。
その上で、アルミシートの不要部分を切り落とします。
ボックスを載せたら
ピラーにU字金物を通し、
ボックスの内側から仮固定します。
仮固定が完了しました。
ボックス位置が正しい事を確認し、
穴の位置に目印でペン書きします。
ボックスを一旦取り外し、
先ほどのペンの位置にドリルで穴を開けます。
目的の穴は9.1mmですが、
最初は3mmから、
次に6mmと徐々に広げます。
最後は9.1mmのドリルで穴あけします。
9.1mmの穴にウェルナットを入れるとき、
カナリきついので入りにくいと思われます。
普通に押し込んでも、ウェルナットがグニャっと曲がるだけです。
ココでのコツは、まず付属のボルトをウェルナットに入れて芯を作ります。
そしてボルトごと押し込みます。
こうする事で綺麗にウェルナットを入れることができます。
ウェルナットを6カ所入れたら、ボックスを再度取り付けます。
この時、先にボックス上部のブレーキランプ用の配線を済ませておきます。
なお、今回は付属ボルトではなくステンレスボルトに交換しました。
コレは当店の単なる拘りなので、マネしなくても組み立ては可能です。
ボルトを入れ、ウェルナットが潰れるまで締めこみます。
内部の6カ所のビスは、付属のワッシャーを挟んで取り付けます。
この時位置合わせがかなり難しいので、二人で作業しましょう。
暗くなってしまったので、完成写真は後日。
と、その前に、ワイパーも交換しておきましょう。
今回の更新は以上です。
あと少しで全ての作業が完了です。
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2020-0130
更新します
ボックスの取り付けが完了しました。
残りはカウルの取り付けとフロントホイールを交換したら作業完了です。
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2020/1/31
更新します
フロントホイールを取り付けます。
先日、新品のタイヤに交換しておいた奴です。
古いホイールを取り外しました。
ハブは移植するので取り外します。
ハブのナットを規定トルクで締め付けて移植完了です。
ホイールを取り付ける前に、
せっかくなのでフロントサスのアームをメンテナンスします。
分解して清掃、グリスアップします。
左右とも分解しました。
ブレーキハブを支えるトルクアームも分解しました。
ものすごい部品の数です。
組み立て完了です。
グリスアップしながら組み立てたので、途中の写真が撮れませんでした。
次にリヤのエンジンカバー(タイヤフェンダー)に、
オーバーフェンダーを取り付けます。
位置合わせの為にテープで仮止め
左右のバランスを合わせるため、慎重に位置合わせします。
右側は形状の関係で取り付け位置がほぼ固定です。
このためまず先に右側を取り付け、タイヤとの隙間を計測。
左側は取り付けの基準になる様な形状ではないため、
(テキトーに付けると幾らでもズレてしまう)
タイヤとの隙間を右側に合わせるように仮止め。
仮止めが出来たら前後左右から確認して、
問題が無ければ穴位置をマークします。
今回は赤のペンでマークしました。
仮止めしていたフェンダーを外します。
細いドリルから順に穴を開けて目的の大きさまで広げます。
先々でボルトがが脱落しないように、
ひと工夫しておきます。
ネジロック剤を入れれば、
適度なトルクで締めこんでおけば脱落しません。
脱落予防にバカ力ヂカラで 絞めすぎると
オーバーフェンダーが割れてしまうので、
ネジロック剤の方が安心です。
これでエンジンカバーも完成です。
夜も遅いのでまだ2~3キロしかテスト走行していませんが、
かなり調子が良かったです。
エンジンは非常に静か。
加速もスムーズ。
ブレーキ・タイヤも問題ありません。
明日と明後日の二日間、もう少しテスト走行してみます。
翌日、テスト走行を行いました。
当店から吉祥寺まで往復し、約15キロ走行して参りました。
特に問題も無く、納車の運びとなりましたので、
完成した車両の写真を以下に掲載します。
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