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2016年8月4日木曜日

タンデムキャノピー(11号)_02_エンジン分解とジョイントケースOH

タンデムキャノピー11号車の政策を開始しました。

全体写真を撮るのをスッカリ忘れていましたが、いきなり分解写真です。
今回もフル・オーバーホールの完全メンテ車両なので、全て分解します。

まずエンジンを分解して、駆動系部品を全て取り外した状態です。



上の写真ではまだ車両にエンジンが付いてますが、もちろんこれも外します。
外したのが下の写真です。



ジャイロキャノピーのエンジンは、全部で4つに分割できます。

エンジンセンターに位置するクランクケースL
このクランクケースLに下記の各部分が組み合わさります。

エンジンクランクシャフトを挟んで、クランクケースR

駆動系部品の蓋となる、Lサイドカバー

デフギヤーの蓋となる、Rサイドカバーです。

上の写真はクランクケースLのみになった写真です。
写真では古いオイルシールが付いたままですが、これも後ほど全て交換します。

次に車体側です。



これが、先ほどのクランクケースLが乗っていた部分です。
汚いですね・・・。
これも全て洗浄して部品交換します。

ばらす前のこの状態を私は「スイングユニット」と呼んでいますが、
正式には「ジョイントシャフト」「ジョイントケース」という部位の集合体です。

左半分がジョイントシャフト、右半分がジョイントケースです。

ジョイントシャフトとジョイントケースの中には、
ジャイロのスイング機構の要が詰まっています。

当然全ての部品をフル交換しましたが、
時kンの関係で写真を撮りながらの作業が出来ませんでしたので、
分解修理写真は有りません。すみません。

次にジャイロの泣き所の修理に移ります。
ジョイントケースとメインフレームを繋いでいる部分、「ピボットシャフト」です。



穴が広がっているのが解るでしょうか。
試しにココに元あったシャフトを入れてみましょう。





ガタガタですね・・・。
車体の全重量を支えている部分なので、仕方ありません。

では早速交換しましょう。



まずは古い部品を抜き取ります。
抜く場合はベアリングプーラーなどの分解専用工具を使用します。



反対側も抜き取りました。

全部抜いたら摩耗チェックを行います。
今回は幸いなことに樹脂製のブッシュとダストシールの交換のみで問題なさそうです。

では次に新品部品です。



長い2本のシャフトがピボットカラー、黒い2つの樹脂部品がブッシュ、グレーの3つの輪がダストシールです。

まずブッシュを先ほどの穴に正確にまっすぐに圧入します。



途中まで入れた状態です。
入れる場合は、抜くときと同様にベアリング用の工具を使用すると楽です。

ブッシュとダストシールを取り付けると以下の様になります。



新品のカラーを使ってフレームに取り付けます。
これでジョイントケースのオーバーホールは完了です。


長くなるので今回はここまでにします。
次回はクランクケースのOHを掲載予定です。





2016年8月3日水曜日

タンデムキャノピー(11号)_01_制作開始

またまたタンデムキャノピーを制作します。
通算11台目です。

写真は前回制作の10号車

ご注文は先月末に頂いていましたが、ベース車両や部品の関係で、制作は8月3日から開始しました。

今回は前回に引き続き、デラックス版でのご注文です。
デラックス版はフル・オーバーホールとなりますので、各部を完全にメンテナンスしての納車となります。

今回は女性のお客様からのご依頼です。
カスタムバイクを女性からご依頼戴くのは当店でも珍しい事です。
当店のタンデムキャノピーは全てがオーダーメイドなので、車体の造りは毎回微妙に違います。
今回はお子様との二人乗りが目的との事でしたので、タンデムグリップの位置を高めに設定して掴まりやすくする事を考えています。
またイザというときにお子様の身体を守る様な形状で作れるかを検討しつつ、進行させていこうと思います。
また今回はオーナー様が女性と言うことで、なるべく軽量に作ることを全体のコンセプトとしました。

2016年7月20日水曜日

タンデムキャノピーDX_(12) ボアアップエンジンのセッティング

タンデム仕様 ジャイロキャノピーDX

前回の記事で車両作成は完了したのですが、
エンジンの事を記事にする機会が無かったのでそちらを書きます。


ボアアップエンジンの最終調整。

組み立てる前にピストン・ピストンリング・シリンダーを2000番のペーパーで面取りします。
面取りした各部品はモリブデンのドライコーティングを施し、組み立て準備完了です。

まずはガスケットを通常より一枚多めにした、低圧縮仕様でエンジンを仮組します。

仮組したエンジンはアイドリングでしばらく放置します。
こうして馴染ませてエンジンの音をチェックします。

次に試走コースへ。
試走で問題なければ圧縮を通常に戻すためにガスケットを一枚減らして再度組み立て。

続いて駆動系とキャブレターのセッティングを行います。

何度かセッティングを変えて導き出した今回のセッティングは、
メインジェットは#85番、
ウエイトローラーは7.5グラム×6個、
が、ベストセッティングでした。

上記セッティングでは、低圧縮にもかかわらずトルクモリモリでスタートダッシュしてくれました。
計測用のタコメーターで7000回転まで回しつつ10分ほど試走した後にガレージに戻ってエンジンチェック。

プラグの焼け具合はキツネ色でバッチリでした。

ピストン・シリンダーのオイル潤滑も十分な状態で、
キズや焼けも発生していません。
ヘッド周りや排気口もカーボン汚れは全くなし。
これでエンジンの作業は完了となります。
外装の細かい部分の取り付けをして完成です。

エンジンセッティングは何度も組み立てたりバラしたりなのでとても重労働です。
ウチは40弱の私と、20代のスタッフ数人で仕事を回してますが、
若いスタッフがバリバリ働いてくれるからこそできる仕事ですね。
1日の内に何度もエンジンをバラすのは、私ひとりでは絶対に無理です。



2016年7月16日土曜日

タンデムキャノピーDX_(11) 完成

タンデム仕様ジャイロキャノピー、完成しました。

制作した外装類を一度分解してチェックし、問題なかったら全て取り付け直して車両完成です。

完成後の写真が以下の物です。


続いてタンデム用装備です。



後輪は40mmワイド化し、さらにオーバーフェンダーを取り付けました。


今回のご注文では、延長フレームとボックスを装備しています。


以上で完成となります。
近畿地方からのご発注なので、車両はこの後に長距離の輸送です。
現地でのナンバー取得の上で、お客様のお役に立つ日が早く来ると良いですね。

2016年7月14日木曜日

タンデムキャノピーDX_(10) タンデム用フレームの塗装と仕上げ

タンデム仕様ジャイロキャノピー
タンデム用フレームが完成しました。

今回はDX版なので、タンデム用グリップが付きます。
先日のブログにてアップした溶接が完了した状態です。



このフレームを車両から再度取り外して、錆止め塗料の黒色で塗装します。



塗装が乾いたら車両に戻します。

仕上げにグリップの鉄パイプ部分にスポンジ製のグリップと、
バーエンドキャップを取り付けます。



タンデム化するとバックレストカウル(シートキーの部分)がパカパカするのですが、
増設フレームからステーを伸ばして土台を作る事で固定できるようにしました。



増設フレームはこれで完成です。