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2016年7月10日日曜日

タンデムキャノピーDX_(05)ステムベアリング交換

ジャイロキャノピーフルオーバーホール◆ステムベアリング交換

今回はステムベアリング交換の様子を掲載します。

まず作業前の写真です。


この後ハンドルを取り外し、ステムベアリングを交換します。
ハンドルを取り外して、3枚組のナットを取り外します。

このナットを外す前には、
ナットに噛み込んでいるロックワッシャーを広げておく必要が有ります。


大きな2枚のナットに挟まれているプレートが、広げてあるのが解るでしょうか。
ここがロックプワッシャーです。写真では取り外しの為に広げて有ります。

こうすることで上の2枚のナットを取り外す事が出来ます。

2枚のナットを外すと、ロックワッシャーも抜き取ることが出来ます。

最後に残った1枚のナットを取り外すせばステアリングステムがフレームから取り外せます。
この時注意しなければいけないのはステムを落下させない様に支えておくことです。

ステムが取り外せたら、いよいよベアリング部品を交換します。

下の写真の左側のテーパーベアリングがアッパー用。
右側のボールベアリングがアンダー用です。

それぞれを取り外して並べてみました。
外側が古い部品。内側が新品部品です。


新品のベアリング部品をフロントフォーク(ステムシャフト)に入れます。
まずはアンダー側です。


このとき、新しいグリスを十分に塗り込みます。


ジャイロキャノピーは屋根が有るため、
水の浸入でステム部が錆びる事はそうそうありません。
とはいえ、万が一を考えて入念にグリスを充填します。

次にアッパー側です。


アッパー側はローラーベアリングなのでグリスを入れにくいですが、
グリスガンや指先の感覚で奥までグリスを充填します。



このようにキッチリとグリスを充填して、ステアリングステムを元通りに差し込みます。


ステムを差し込んだら、軽く回してグリスを循環させ、ステムを一度抜き取ります。
ここで更に再度グリスを充填しておきます。

これで、ステムの回転によって多少グリスが移動しても問題は無いでしょう。
では再度ステムを差し込み直し、ワッシャーを嵌めていきます。



ロックワッシャーも忘れずに挟み、きちんとワッシャーをロックします。



ロックワッシャーを曲げてロックしているのが解るでしょうか。
ステムベアリングの交換は以上です。

次回はフロントホイール周りのオーバーホールをお送りいたします。

2016年7月9日土曜日

タンデムキャノピーDX_(04)増設フレーム

タンデムキャノピー DX版。
今回は増設フレームの仮装着です。

当店で制作した増設フレームです。


背もたれ部分を切断し、当店で制作したサブフレームに溶接しています。
サブフレームは、構造強化した荷台にボルト固定されています。

この写真のスクリーンは汚れていますが、これは位置合わせ用の物です。
こののち外装組み立ての際に新品スクリーンに交換します。

2016年7月8日金曜日

タンデムキャノピーDX_(03)スイングユニット

タンデム仕様ジャイロキャノピーの、
フル・オーバーホール車両をご発注いただきました。

当店ホームページで「DX版」として販売している車両です。

今回はスイングユニット部分の消耗品を交換した様子です。



上記画像の真ん中より若干右上に有るのが、交換する部品です。
黒い部分ですが、3つの部品が含まれています。
オイルシール・ブッシュ・ダストシールです。
シャフトを取り外して、消耗品を取り外します。

次に分解したシャフトの写真です。



3つの丸に見える部品がオイルシール・ブッシュ・ダストシールです。
今回仕入れた車両はこれらの消耗品の摩耗限界はまだ超えていませんでしたが、
せっかくバラしたので当然これらの部品も新品に交換します。

次に、スイング機構をロックするポール部分です。



ポールにわずかでも摩耗があれば念のために交換ですが、
こちらの車両はごらんのとおり歪み一つありませんでしたので、
洗浄と再グリスアップで問題なく利用可能です。

次にこちらがポールの対になるスイングロックプレートです。



このプレートにポールが突き刺さってスイングロックが掛かります。
こちらのプレートも摩耗がなく、不思議なほどきれいな状態でした。

年式から考えると変色一つ無いのは不思議です。
つまり当店入庫前のかなり近い時期にポールとプレートが新品交換されていた様です。

この後ジョイントピボットとサスペンションブッシュを交換しましたが、
交換前と交換中の写真を撮り忘れました。申し訳ありません。
交換後の様子はこの後掲載します。

次の写真は再組み立て直前です。



ジョイントピボットの部品が新しくなっているのがお分かりいただけると思います。
ジョイントケース右端の綺麗な銀色の部分がジョイントピボットです。
ココがメインフレームとエンジンをつなぐ支点の部分です。

向きが違いますが、この部分のアップ写真が以下です。



新品シャフトが通っている部分グレーの樹脂製ブッシュが摩耗しやすい部分です。

車重が掛かるので非常に摩耗しやすい部分ですが、
アルミ製のジョイントケースからこれらの摩耗部品をきれいに抜き出し、
新品部品をまた正確に圧入する作業は非常に難解です。

つまりこの部分の修理がなされているジャイロは非常に珍しいと言えるので、
ジャイロの中古車両を吟味する際の一番重要なポイントでも有ります。

この部分の修理はジャイロ専門のプロショップならではのポイントです。

余談ですが、ヤフオクや格安中古車両でこの部分の質問をすると、
大抵の場合は質問に対する明確な回答が帰って来ません。

上の写真は全て交換後の、組み立て直前の写真です。
荷重が掛かる部分なので、当然ボルトも新品を用意しました。

最後にサスペンションブッシュです。



そもそもこの部分が分解交換できることを知らない方も多いと思います。
当店では特殊工具を独自に制作して交換しています。

今回は以上です。

2016年7月2日土曜日

タンデムキャノピーDX_(02)ワイヤー交換

ジャイロキャノピーフルオーバーホール◆ワイヤー交換

前回書いた通り、
お客様からオリジナル仕様のジャイロキャノピー制作のご依頼を受けたので、
車両のオーバーホールを行っています。

今回は各部ワイヤーを交換したので写真を掲載します。
作業中に写真を撮ることができなかったので、ワイヤーの写真のみですが・・・。


こちらの車両は、フル・オーバーホールでのご納車予定ですので、
こちらのワイヤーはもちろん、エンジン、前後ホイール、サスペンション、ステアリングなど、
各部のベアリング・ダストシール・オイルシール、ブレーキシューやタイヤまで、すべて新品交換しての組み上げとなります。