タンデムキャノピー11号車、今回はフロントサスペンション周りです。
前回勘違いで『フロントホイール』と書いたかもしれません。
盆休みで新品タイヤが届かないことも有り、フロントホイールの分は盆明けに再度作業予定です。
さて早速ですがフロントサスペンションの部品交換です。
先ずサスペンション上部。
ゴムブッシュと金属カラー(スペーサー)を打ち抜きます。
このブッシュは車重を受け止めている関係でかなり摩耗しています。
次にこのサスペンションとフロントホイールを繋ぐ部分です。
名称はボトムリンクと言います。
摩耗した状態の写真を撮り忘れましたが、この部分も穴が広がってガタガタでした。
上記の様に全て新品部品を入れなおします。
殆どの方は興味が無いと思いますが、一応解説すると、
左右それぞれの真ん中にある棒がボトムリンクアーム。
上段の白い輪がグリスやオイルを保持するフェルト製のオイルシール。
グレイの輪が樹脂製のブッシュ。
シルバーの輪がブッシュ内の金属カラーです。
一番外側が蓋(ダストシール・カバー)です。
下段、長い金属棒がカラー。
その両脇の金色に黒縁がダストシールです。
(今気づきましたがこの写真、右のアームが逆さまです・・・。)
では次に進みます。
このボトムリンク周辺の部分に、フロントブレーキ系を保持する部品が有ります。
名称は、トルクリンクアームと言います。私はテキトーに短縮して『トルク棒』と呼んでいます。
トルクリンクアームはボトムリンクと良く似た構造ですので、部品構成も似ています。
アーム本体に樹脂製のブッシュが入り、その中に金属カラーが入っている構造です。
車重やブレーキ時の慣性制動力はこのトルクリンクアーム内でカラーとブッシュに掛かります。
トルクリンクアームやカラーは金属なので、ブッシュが主に摩耗します。
こちらは新旧部品の比較写真を撮ってありましたのでご覧ください。
交換時に急いで撮ったので、旧部品の一部を捨ててしまいましたが、
アームのすぐ右の、4個組が樹脂ブッシュです。
上が古い物で、下が新しい物。
古いブッシュが摩耗限界ギリギリで、外す際に割れました。
ダストシールの摩耗で雨水が浸入し、右端の金属カラーも錆びています。
この辺りも全て新品交換して、グリスアップ死ながら組み立てます。
次にフロントブレーキドラム内部の部品です。
先ずドラム内部のシャフト、ダストシール(ゴムの輪)、メーターギヤーです。
これらは上で書いた部品たちと同じように車重での摩耗や経年で劣化します。
ギヤー以外は頑丈な部品なので相当長持ちしますが、やはり中古は摩耗しています。
デラックス版ではこの辺りも全て妥協せずに交換します。
これでフロント周りの内部部品の交換はほぼ終了です。
接続部分にグリスを充填しつつ組み立てを行います。
写真はブレーキドラムユニットとトルクアームの接続部です。
グリスを充填して、新品のダストシールでフタをします。
写真上部ギリギリに映っている古いダストシールと、
写真中央の新しいダストシールを比べてみてください。
かなり劣化していたのが解ると思います。
組み立て後が以下の写真です。
次の写真はフロントブレーキシューです。
古いブレーキシューはさほど摩耗していませんが、当然交換します。
ブレーキシューを広げるためのブレーキカムやスプリング、フェルト製のオイルシールも交換します。
ブレーキカムは、ブレーキシューを広げるためのシーソー状の部品なので、
カムが摩耗するといくら新品シューに変えてもブレーキは効きません。
デラックス版ではブレーキワイヤー、ブレーキカム、ブレーキシューの全てを交換しますので、
ブレーキの効きはバッチリ回復します。
これらを組み立てたのが以下の写真です。
なお、前回の10号車から、デラックス版では標準で『強化ブレーキシュー』を採用しています。
フロントサスペンションとブレーキ関係は以上です。
フロントサスペンションは、
以前に掲載したエンジンとフレームの接合点(ピボット)と併せて、
経年車両のギシギシ異音の原因にもなっている部分です。
車体のガタが心配な方はこういった部分の部品交換で改善可能です。
今回は以上です。
次回更新はエンジンのボアアップ関連を掲載予定です。