タンデム仕様ジャイロキャノピー DX版
フル・オーバーホールの為に各部の分解修理を行っています。
今回はフロントホイール内のベアリング交換を掲載いたします。
まずは交換前です。
真ん中の赤い部品がベアリングですね。今回はこちらを交換します。
この写真では赤いベアリングを手に持っていますが、
実際に交換したのは耐久性の高い別のベアリングです。
交換作業の直前に届いたので急遽そちらを使いました。
いきなり交換後の写真です。
作業中に写真を撮る余裕が有りませんでした。
この黒いベアリング、通常の物より耐久性(定格荷重)と許容回転数が高い物です。
今回の作業の直前に届いたのでこちらを使用しましたが、
通常のベアリングでも問題は御座いません。
なお、2ストジャイロキャノピーのフロントホイールベアリングは、6201という物です。
外径32mm、内径12mm、幅10mmのゴムシールベアリングです。
ホンダ標準の物は片側ゴムシールを採用していますが、
これはマメな注油(グリス封入)を行わない限り雨などで錆びてしまいます。
これは取り外したホンダ純正ベアリングです。
表側はまだシールが残っているので綺麗ですが、裏側はサビでグリスが変色していました。
まだグリスの軟粘性が残っているのでガリガリまではいかず、回転はスムーズでしたが、
やはり交換しておけば安心できる部分ですね。
交換時には今回の様に両面ゴムシールの物を使用するのも有りだと思います。
(厳密にいえば回転抵抗は増しますのでお勧めはしません。自己責任でお願いします)
今回は回転数の高い両面シールベアリングが手に入ったので、ラッキーでした。
ベアリングを交換したら、その上にオイルシール(ダストシール)を圧入します。
これはベアリングを外部のダストや水から保護したり、グリスの流出を防ぐための物です。
追記:
この写真の撮影後に更に性能の高いオイルシールを入手しました。
組み立て後の写真では交換してありますので後ほど写真をご覧ください。
では次にブレーキハブ側の消耗品を交換します。
これがブレーキハブです。
また作業中の写真が無いのですが、
中心の大きなオイルシールや、右側に写っているブレーキカムを交換しました。
夜だったので一旦中断し、翌日更に部品交換します。
こちらが昨夜の続きです。
メーターギヤー奥のブッシュや金属カラーを交換します。
ハブのすぐ上に並んでいるのは古い部品です。
その上に有る袋に新品部品が入っています。
そして新旧部品の比較写真がこちらです。
古いブッシュとカラーはガタが出ていました。
新品はやはりキチッとしています。
ダストシール(黒い蓋)も摩耗が有りました。
これではグリス漏れや、ダストの浸入を許してしまいそうです。
これらを組み立てると以下の様になります。
追記:
先ほど書いたオイルシールですが、通常よりシール性の高い物が入手できたので、
更に交換しました。
こちらのシール材はホンダ純正部品では御座いませんが、
1mm厚くなり、シールリップもダブルなので採用しました。
フロントホイールのブレ対策にはベアリングとブッシュ・カラーの交換が必要です。
これらの症状にお悩みの場合は当店までご相談ください。
次回はフロントサスペンション周りのブッシュ・カラー・シール類の消耗品を交換します。